大和言葉の中の弥生語2ー四つの単母音と四つの二重母音の弥生語

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単母音(たんぼいん)ア、オ、ウ、イの説明

前回は、弥生語八母音の内の四つの単母音ア、オ、ウ、イの説明をしました。

日本語は現代語でも弥生語でも「あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ」の子音(しいん)の各行のそれぞれの全ての文字に母音(ぼいん)が付いています。

日本語の母音(ぼいん)と子音(しいん)の関係

現代語は五母音ですが古代弥生語はア・オ・ウ・イの四つの単母音とア(au)・オ(ou)イ・(iu)・エ(ai)の二重母音の四つの計八母音から成っています。

ではもう少し ア、オ、ウ、イに ついて例を示しながら解説したいと思います

まずアから。

天(アマ)について。

天(アマ) は

ア            マ

(自然・世界の)   (真<まこと>の世界)

弥生人にとって「ア」とは、目に見える周りの全ての世界で、マ行は元来は、「まことの世界」で母音「ア」でその最大形を表します。

「ア」についてもう一例をあげておきます。

頭(あたま)という言葉があります。

これは元々人間を構成している荒魂(あらたま)・和魂(にぎたま)・ 幸魂(さちたま)・奇魂(くしたま)と言う古代神道の考えからきています。

この一霊すなわち四魂のうち、始めの荒魂から頭という言葉が生まれました。

すなわち、

あらたま➡あたまなのです。

すなわち、

アラ(荒)     タマ(魂)

(aura)                       (tama)

(現れている)    (意識)

ということで、アラタマ➡アタマ(頭)となったのです。

次に、オですが、基本的には大きい、威大なる、という意味です。

天地(あめつち)という言葉がありますが、元々は、弥生語でアオメツチです。

ア    オ      メ     ツ       チ

(a)        (o)             (mai)       (tu)              (tiu)

(ああ)(威大なる) (恵みを与え)(続ける)(エネルギーの流れ)

このうち、「オ・o」が脱落して、アメツチ(天地)となったのです。

メ(mai)については、後で二重母音ai(エ)のところで説明します。

イ(i)は、ウの動きが完了し、また始まりがあるので、イはその始まりと完了を意味します。

完了を表す例としては、「~けり」「~たり」「~なり」という風にとにかく「り」で終わる完了形が日本語には見られますが、これは動詞が完了形であることを「り(ri)」で示しています。
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二重母音のau(ア)ou(オ) ai (エ) iu(イ)の四つの説明

次は、残りの二重母音のau(ア) ou(オ)  ai (エ) iu(イ)の四つについてです。

下図をご覧ください。

上の図を見ると、au(ア)  ou (オ)   ai (エ)   iu(イ)の四つの二重母音がわかるかと思います。

次に二重母音のau(ア) ou(オ) ai(エ)  iu(イ)について解説をします。

auはアという世界が動くということの意味から「出会う・会う・何々になる」という意味を持ちます。

ou は、「オすなわち大いなるものに心がu、動く」という意味ですから、「拝むないし拝ろかむ 」という時のオの意味となるのです。

  拝ろかむ       ou  (オ)     ro (ロ)      ka(カ)      mu(ㇺ)

(大いなるもに心が動き)  (続き)   (その変化が)   (深まる)

こうして「拝ろがむ」とは、 大いなるものへの畏敬への変化を深くする、という意味になるのです。

iuは「心の始まりが動く」という意味ですから、そこから「親しむ」という意味になります。

a i(エ)はaの世界がいきなり動きをi完了する、という元の意味から。ぐるぐる回転するところから「変換」の意味があります。

弥生語における二重母音のau(オ) ou (オ)iu(イ) ai(エ)の説明は以上になります。

四つの二重母音を例を上げて見て行きます

はじめにau(ア)。

日本語の「あっぱれ」という時のaupa は「パに出会って晴れやかになる」という意味です。

また荒魂(あらたま)、荒波それから色の赤いも皆このアです。

次にou(オ)。

大いなるものに心が動く、が元々の意味です。

よって、上述のように、おろがみまつる、拝むのオはこの「ou、オ」なのです。

つぎに、iu.

これは基本的に「親しむ」という意味ですので、イザナギ・イザナミのイiuです。

男女がむつみ親しむ状態を俗にイチャイチャと言いますが、その語源はこの弥生語のイッツァから来ていることは明らかです。

次が、実に面白い二重母音ののエaiです。

すでにこの母音は転換あるいは変換の意味であることは述べましたが 、この二重母音を物質の世界を表すま行、変化の世界を表すカ行 そして秩序を表すナ行を例にとって、説明してみたいと思います。

まず物質の世界を表す ま行にこの二重母音が結合すると、すなわちメmai となると「その物質の転換」を意味します

例を示します

芽が出る という時のメmai はそこから葉や花に転換するという意味です。

次に秩序を表すナ行にこの転換の意味のエaiが結合すると ネ naiとなり、植物の根のようにバラならバラの花を咲かせるのに根(ネ、nai)は土の中の養分や水を吸い上げてバラという秩序体に変換するところです

寝るという時のネnaiも、寝ることによって心身の転換を図るように体ができているという意味で、寝るという「秩序の転換」の意味がネnaiにあります

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