鹿島の神と香取の神を弥生語で解いてみます その5

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弥生語の「カ行からワ行まで」の概観

「鹿島の神と香取の神を弥生語で解いてみます その4」の続きを話します。

弥生語のもう一つの重要な原則を申し上げます。

まず、子音は意味を表わすということです。

では、子音には必ず母音が伴いますが、その子音についている母音は何を表すか、というと、母音は子音の強さの状態を表すのです。

ア(a)、オ(o)、ウ(u)、イ(i)の四つしか単母音はありません。

エ(e)の母音は、元々、日本にはなく、六世紀頃、朝鮮から渡来人がもたらしたものです。

元東大教授の大野晋(すすむ)先生は、万葉集など古くなればなるほど、エ(e)の母音が極端に少ない、言われるのは、元々日本にはなかった母音だからなのです。

それから二重母音は、au(アゥ)  ai(エィ)   ou(オゥ)    iu(イィ)の四つです。

もう一つ、重要なこと、それは、母音は、ア(a)、オ(o)、ウ(u)、イ(i)の順番でその強さがあるということです。

例をもって話します。

弥生語では、「タ(t)行は目にみえる物量を表す言葉」なのですが、現代の言葉でも、

た(ta)が一番多く、その次は、と(to) 次が つ(tu) 次が、ち(ti)という風に少なくなっています。

数字も  多(ta) 十(to)   五(tu)  一(ti)となっています。

弥生語がこんなふうに理路整然と構成されていることに、まず驚かされます。

ここで、カ行からワ行までの言葉をひととおり概観してみたいと思います。

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カ行は、「自然や物事の変化に対する人間側の感情」をあらわします。

き(ki) く(ku) こ(ko) か(ka)の母音の順でその「変化」の度合いは強くなります。

カムロミチという弥生語があります。これを分解すると、

カ   ム  ロ   ミ   チ

ka        mu     ro         mi        ti   ですが

kamuで「大自然変化」と、現代語に翻訳できるのですが、少し説明すると、kaは、k行が大自然などの変化の意味を持っていますが、aという母音がその最大形なので、「大自然」と解釈でき、次のmuが「動き変化する」動詞の意味から「かむ」で「大自然変化」と翻訳できるのです。

kamu(かむ)は、弥生語では、後世の「神」であり、「大自然変化」を神ととらえています。

縄文人のアイヌでも神は「カムイ」と言っていますから、縄文語と弥生語ももともと同じ人種なので共通する言葉は当然あるわけです。

「神をカミ」と言うようになったのは恐らく6世紀以後ではないかと思います。

つぎのro(ろ)は、進行形の動作を表す言葉で、池田先生は「流れゆく」と訳されています。

最期のmiti(みち)は現代語と全く同じ「道」です。

全体で「カムロミチ」は、「大自然変化の流れゆく道」で、これこそ「かん(む)ながらの道」の原語だったのです。

ro(ろ)の「流れゆく」を「ながら」と、進行形として翻訳したわけです。

「大自然変化の流れゆく道」、これがわが「随神の道(かむながらのみち)」の最も正しい意味です。

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