弥生語カ行ーka(カ)ko(コ)kou(コ)ku(ク)kai(ケ)の解説
弥生語のカ行は変化の世界を表しています。
変化の世界は不思議な世界なので、弥生語でその最大に不思議な意味はka ですので、ka はしばしば神を意味することがあります。
神を昔の弥生語では カム(kamu) と言います。
アイヌなどの縄文人も神のことをカムイと言っています。
この点では弥生語も縄文語もほとんど同じです。
カムロミ
カムロキ
という言葉、「大祓詞(おおはらいし)」や「みそぎ祓詞(はらいし)」に出てくる少しむずかしい言葉ですが、「かんながらに生まれ出てくる、自然の中の「目に見えない世界」と「目に見える世界」とをそれぞれ「カムロミ・カムロキ」と弥生語では言ったのです。
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かんながらの道とはどんな道?
そして弥生語では、かんながらの道をカムロミチ と言います。
ka mu ro mi ti (カムロミチ)とは、「大自然変化の流れゆく道筋」、それが元の意味です。
そして惟神(かんながら)の道、随神(かんながら)の道という漢字を古代の人は当てています。
ka mu ro mi ti
カ ム ロ ミ チ
(大自然)(変化の)(流れゆく) (道筋)
かんながらの世界
というわけです。
次のkaカ行は、oの入ったコ(ko)ですが、このコには2種類のko,kouがあります。
動くkouと不動のkoがあるのです.
バケツの底のように不動のko は ソコ (底、soko)、しかし同じコと言っても水が凍るのコはkouです。
刻々と動いて溶けるので、氷(kouri)のuという動く意味の母音がつくのです。
このように日本の古代語には、例えばコには甲音と乙音という二種類の語があることが発見されています。
橋本進吉博士
その他の日本の古代語にはこの甲音、乙音があることを発見したのは元東大教授の橋本進吉(はしもとしんきち)博士です。
万葉集などにはこの甲乙2種類の音がよく出て来るそうです。
この古語の尺度をもって、太古の書と自称する古文書もこの基準から見て偽書(後世の創作)かどうかがすぐわかってしまうというわけです。
次はク(ku)に移ります
kuは単純に変化する という動詞でよく使われます。
また「奇(く)しく妙(たえ)なる」といえば、不思議で美しい、とそんな風にもkuは使われ る弥生語です。
少し下品な例になりますが、少し面白いとおもうので、取り上げさせていただきます。
よくクソと言いますね。
何の価値もない中身のない nothing のことをクソ野郎などと言いますが、このクソもやはり基本的に弥生語と言ってもいのではないではないか、と思います。
なぜなら次のように分解できるからです。
糞(クソ、kuso)とは、
ku so
(変化した) (中身のないもの、価値のないもの、 nothing)
と分析出来、元々の日本語を踏まえていると思います。
次はki、
これも2種類のkiがあります
際立つ、クッキリ、スッキリのki と霧のkiuです。
一方は不動のキki、もう一方は動く kiuのキです。
霧(kiuri)は、刻々と深くなったり濃くなったりします。
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もののけ姫の「ケ(kai)」とはどんな意味?
最後はカ行と二重母音のaiの結合の面白い言葉です。
一般にはケ(kai)と聞こえます
すでに二重母音 のaiのところで述べましたように、aiは「変換とか転換」とかいう意味がこの二重母音なのです。
するとケ(kai)は、分解すると、「変化+変換」となりますので、実に「奇妙でけったいなもの」の意味になるのです。
今言った、まさに「けったいな奴」という時のケ(kai) がこの弥生語です。
それから「もののけ姫」の「ケ(kai」もまさにこのケです。
もの の け
(mou nou) ( nou) ( kai)
(生きもの) (の) (奇妙なもの、化け物)
という意味です。
それから、昔、今の栃木県のことを昔は下野国(しもつけのくに)と言いました。
そして群馬県のことを上野国(こうづけのくに)と言い、同じように両県とも「ケ(kai)」が付いています。
何故だとおもいますか?
二つの国とも、共に「奇妙な、不気味な」という意味の「ケ(kai)」が付いているのです。
今の関東地方が真だ開けていない頃の昔は、利根川より北の国は、西の国から見ると、言語や風習などが奇妙に「けったいに」見えていたようで、それで「地図の上で上にあるけったいな国」が上野国(こうずけのくに)であり、その下にあるけったいな国が下野国(しもつけのくに)といったからです。