大和言葉の中の弥生語5-サ行の弥生語は「何も無い世界」です

「サ行の車は売れる」というジンクス

前回は、 やまと言葉の起源としてのサ行の中のス(su)だけを取り上げて終わりましたが、今回は残りの作業のうちサとソとシについて用例をあげながら順次解説いたしたく思います。

その前に、前回少し触れました「サ行の車が売れる」というジンクスについてふれておきます。

確かに例えばトヨタの車の車種を少し概観しただけでも、サ行の言葉の入った車種はかなり多いですね。

センチュリー、スープラ、シエンタ、レクサス、 セルシオ、パッソ、スペード、サクシード、コースタ ー、トヨタエース、ピクシス、セリカ、アベンシスなど結構サ行が目覚め立ちます。

そして日産の車種についても、いちいち例を挙げませんが、やはりサ行はとても多いように思います。

トヨタ センチュリー

「サ行の車は売れる」というジンクスのようなものを確か昔聞いたことがありましたが、当時はまだ日本語のルーツとしての弥生語など知りませんでしたので、なぜかは考えられずに過ごしてきましたが、しかし弥生語が持っている神言葉のエネルギーのあるサ行の力ということを知ると、サ行の車は売れるという業界のジンクスは、おそらく営業の経験から出てきた人物の閃きのようなものだと思いますが、あながち迷信の類だとは言いきれないような気がします。
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やまと言葉のサ(sa)行の起源

さて、本題に入ります。

サ(sa)の用例としてはこれもたくさんありますけれども、全部というわけにもいかないので主要なものを選んで解説します。

サ(sa)の用例:

さらち(更地)、晒(さら)す 、冴(さ)える、さやか、さわやか、 さやけき、さけ(酒)御陵(みささぎ、高貴な人の墓)、早乙女(さおとめ)、などがすぐ思い浮かびます。

さらち(更地)とは

sa               ra             ti

(何も無くなて) (躍動している) (エネルギー)

というのが元々の意味ですが、「まっさら」という言葉どうり、「建物も何もない土地」という意味の、弥生語由来の言葉です。

晒(さら)すは、

sa       ra    su

(何もない状態を)(最大に) (する)

というということで これも弥生語本来の意味を持っています。

冴(さ)える、さやか、さわやか、 さやけき、などの言葉はほとんど「サ」が共通していて、サは何もない、ヤはますます、ワは横の広がり、ケは変化という少しの違いがあるだけの意味ですので、「サ」の「無い」という決定的な意味が分かることが重要です。

さ    え    る は、

さ    へ    る

➡さ    ぺ    る で

(何もない)(方へ)  (動く)が元々の意味です。

さ      や     か は

(何もないへ)(ますます)(変化する)意味です。

さわやか、 さやけき、も、もうくどくど解説する必要はないでしょう。

さけ(酒)は、おそらく人の平常の心を無くして、ケ(kai)は、前回お話ししましたように、けったいな状態になる、と言うことですから、これは酒の効用と言うか、酒がもたらす状態をよく表す弥生語の言葉のではないかと思います。

次に御陵(みささぎ)は天皇などのお墓のことですが、ミササキ(お亡くなりになられた御身がある際立ったところ)の意味です。

次の「早乙女(さおとめ)」とは、この場合、「神を呼ぶ乙女」の意味で「一種の巫女(みこ)としての乙女」という意味です。

御陵(ごりょう)

大昔の田植えは、神を呼んで行う一つの大切な田植え神事でありましたから、これに従事する女性も一種の巫女さんのような清らかな乙女で、ある意味、神がかりになって田植えを行うことによって神と共にあり、そのエネルギーによって豊作の祈願をする乙女のことを「早乙女」と読んだのです。

「サ」が、神のエネルギーを引き込む意味でその乙女ということです。   早乙女たち

春の小川はさらさら行くよ、とは童謡「春の小川」の言葉ですが、さらさら、などの「さ」は「何もない」から、小川はさらさらと流れてい行くのです。

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サ行の内のソ(so)

次はサ行の内のソ(so)に移ります。

そら(空)、そこ(底)、削(そ)ぐなどの説明をします。

            そ        ら 

(何もないところに)(躍動するものがある)ということです。

何もないところに躍動するものがある、何もないところに昼間は太陽、夜は月や星が躍動しているところ、それが空(そら)ですかから、そらと言うのです。

    そ             こ

(何もないところに)     (固定してる)

何もないところで固定している状態、それは、そこ(底)です。

削ぐ(そぐ)とは、「何もない状態に変化させる」という意味になるのは、弥生語がもっている元々の意味です。

「ぐ」は変化を表す「く」が濁音化しただけです。
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サ行のシ(si)

最後にシ(si).

サ行の中では「何もない」という意味で最も弱いのがシです、。

しずか、しずまる、死ぬる、などのシです。

「しずか」だけ分解して弥生語であることを示しておきます。

       し       つ        か 

 (何もないかのように)(積み重なって)(大きく変化する)

ということです。

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