再び、左右どちらかに上位・下位はあるか?ーシリーズ神道を知りたい2

お雛様の飾り方

さて、今回も、左右どちらかに上位・下位などあるのか、についての話の続きもう少しいたしたく思います。

というのも、例えば、お雛様(ひなさま)の飾り方などがしばしば問題になるからです。

つまり、お雛(びな)と女雛(めびな)、どちらが向かって右側に配置すべきかと言う問題です。

お雛は左と右どちらに飾るのが正しいのかという問いは、桃の節句になるとよく聞く話題です。

お雛様というのは、もともとこれをお内裏様(だいりさま、天皇の住む宮殿)というように、宮中を申して模して飾ったものなのです。

お雛のつけている冠の エイ(冠<かんむり>の後ろの動く部分)が天皇陛下にしか許されない立っているエイ によってもこのことはよくわかります。

問題は、この天皇・皇后両陛下の並ばれる位置なんですけれども、現在では向かって右に皇后陛下、向かって左に天皇陛下、また皇太子殿下ご夫妻の並ばれ方も同じです。

天皇皇后両陛下の並ばれる位置                   関東風

それで、これが関東風のお雛飾りで、向かって右に女雛、向かって左に男雛になっています。

しかし、一般に、識者はこの並び方は明治4年「宮中の服制」が改められてフランス式の礼法が入ってきてそうなったんだ、と説明していますけれども、この説は、実は少々怪しいです。

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易の陰陽の原理による左右の決め方

それよりも室町後期に、中国の朱子学が関東の武家社会に入って関東に定着したとする説の方が有力だと思います。

上下関係というよりも、太極図の陰陽の原理、すなわち向かって右が天地の天であり、それは母性原理を表しています。

一方、向かって左は地を表して父性原理を表しています。

天ー向かって右ー陰(母性原理)

地-向かって左ー陽(父性原理)                  関西風

ただし、向かって右に男雛、向かって左に女雛の関西風の飾り方にもまた、考えようによっては正しいと言える複雑な事情があることはあります。

このお雛様がお内裏の投影とすると、お雛は天皇陛下であるが、天皇陛下だけは単に男とは見ないで、我が日本の古来の神社神道においては、天皇は天照御大神(あまてらすおおみかみ、陰の原理)の御名代(ごみょうだい)と見るならば、神道の祭式で、向かって右に鏡(天照大御神・陰)、向かって左に剣( 陽・父性原理)であるように、向かって右に天皇陛下が並ばれるのも正しく、ここでも、結局は、天地陰陽の理を踏んでいるとも言えるからです。

古い歴史を持つ隣の中国においても戦国時代から近代の清の時代に至るまで、左右いずれが上位なのかは時代によって異なり半々に分かれて決着がつかないようにも見え ます。

しかし中国においても、男子を向かって左、女子を向かって右とする、このことだけは古代から後世まで変わることはなかったと思います。

ただどちらを上位とするかが変化したわけですけれども、これも見るサイトによる混同から起こった場合も多いと思います。

どういうことかと言います、よく言う左上位というのも、あちらサイドから見てからの左で、結局は、向かって右上位のことであり、結局、同じことを言っているのに、ただ左、右という言葉だけ聞くと混乱する結果となるということです。

ついでに申し上げておきますと、朱子学の影響を大きく受けた水戸徳川家でも、その墓地はどうなっているかと言いますと、藩主である男子の墓は向かって左、夫人の墓は向かって右、としてこの伝統を守っているようです。

以前にも取り上げましたが、神社の左右に置かれている狛犬も、向かって右に陰の原理である口を開いた形が置かれ、向かって左には口を閉じた狛犬が配置されています。

これも天地陰陽の左右の原理をふまえた形を守っているのです。

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