お祓(はら)いの時、なぜ左右左と祓うのか?

人形の種類

一口に人形(ひとがた)と言っても神社の祭礼や呪術(じゅじゅつ、まじない)のための人形から始まって七福神のような縁起物不二家のペコちゃんのような商売に使われる人形(にんぎょう)もあります。

農業では作物を荒らすカラスやスズメを追い払うためのかかしの人形もあります。

その他伝統的な和人形(わにんぎょう)としては五月人形(さつきにんぎょう)や博多人形、操り人形の人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)やマリオネット、商業用のキューピー人形やリカちゃん人形、また、だるまやこけしの蝋人形(蝋人形)など数限りなくあります。

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人の身代わりとなるヒトガタ(形代)

ここでは、祭礼や神社神道のお祓いなどの呪術に使われる人形(ひとがた)、形代(かたしろ)としての人形を取り上げてみます。

形代流しは祓いの一種です。

まずは、紙で人の形にしたものを切り取った形代(かたしろ)を用意します。

これを依り代(よりしろ)といい、ここに霊(霊とは人の気のエネルギーに乗って出来上がった人の思いのこと) が憑依(ひょうい、とりつく)したもので、これが身代わりとなって、近くの川や海に流して、そういうマイナス・マインドの罪穢れの気のエネルギーからなる邪霊を根の国・底の国へ流す神事です。

神社で行われる行事では、年2回の大祓の神事が有名です。

年2回行われ、1年の間の節目として、まず6月の終わりに一回行い、これを「夏越の祓い(なごしのはらい)」と言います。

もう1回は12月の暮れに正月に向けて行う「年越しの祓い」というものがあります。

夏越の祓い(なごしのはらい)

形代(かたしろ)という人の形をした和紙製のものがあり、それを自分の分身とみなして、自分の中の罪穢れなど一切の嫌な思い・マイナスマインドを心を込めて移すと念じながら行うとその形代に移る、という考えに基づいて行うのです。

これを原理的に説明しますと、人の強い思いは、心の中に常在している気のエネルギーと共に動くので、その通りにその形代に移るわけです

そもそも神社というものがどのようにしてできたか、と考えると、そもそもは宇宙に遍満する気のエネルギーが人の思いによってそこに集結させることによって成立することを原則としています。

神事というのも、すでに気のエネルギーが集結しているその場所で、祈りという人の気のエネルギーからなる思いを祝詞と祭式を通して感応させて願い事を確信する行事ともいえるでしょう。

その間の消息を伝えている神社に関するすばらしい名言があります。

「神は人の敬によってその威力を増し、人はその徳によって 運を添う(うんがよくなる)」というものです。

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左右左と祓いを行う意味ーなぜ左右左と祓うのかー

それから、祓いの時に、左右左と神主が祓い串でお祓いをしますが、あの形、左右左と振りながら実は無限大のしるしの形を作っています。

∞という形です。

まず、左に動かして相手の罪穢れを祓い吸い取って引き受けて、次は、右へ持って行って根の国・底の国と言う所に罪穢(つみ・けがれ)・マイナスマインドを 祓いやり、再びさらに左へ戻して闇から光へ気のエネルギーを転換したものを与える

左右左のお祓い

行為であるからです。

ところがこの同じ事を、6月の「夏越の祓い」でもやるんですね。

気が付いていましたか?

おそらくほとんどの神職でさえも気が付いていないと思います。

その「夏越の祓い」の時に、茅(ちがや)を編んで作った大きな「茅の輪(ちのわ)」が神社にしつらえてあるのをご覧になったことがあると思います。

あれも 祓い全体の シンボルである茅の輪(智の輪で神の事)の中で、やはり左右左の無限大の形(∞)でこの茅の輪をくぐるのです。

その行為こそはお祓いの時の無限大の形で闇から光への転換の象徴的行為をするわけです。

これが祓いの「左右左」の動作に隠された深かーい意味なのです。深かーい意

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