鹿島・香取神宮のはじまりーかんながらの道(随神の道)ー神社ができた頃の古代史と古代語7

倭言葉(やまとことば)による古い神社の解明

「委細 心得(いさいこころえ)」 という『 弓 前 文書(ゆまもんじょ)』 の 中 の 歴史 書 には、 日本 の 古代 史 と 神社神道 の 基盤 とも いう べき、 伊勢、 出雲、 大神(おおみわ) 大和(おおやまと)、 鹿島、 香取 がいかにして 成立 したのか、 が 記さ れ て い ます。

この 文書 が、 いまだに 謎 に つつま れ て いる これら の 古社 解明 にとって、 一つ の 画期的 な 糸口 と なる 、と思っています。

ここ に 展開 さ れ て いる 日本 古代 史 は、 何度も言いますが、あくまで「 委細 心得」 に 基づく 古代 史 です。

たしかに、記紀 が 描く 古代 史 とは かなり 食い違う ところが あり ます。

食い違うには食い違う理由があります。

そこを考えていただいて、新しい 視点 によって 新しい 視界 を得ていただきたいと思っています。

ここでは、奈良時代 に 成立 し た 日本語 以前 の、 ここ で 弥生 語 と いっ て いる 倭 言葉 (やまとことば)によって、 古代 史 と 神社神道 を 解こ う と することを第一としてし て います。

普通、やまと言葉と言えば、奈良時代 に 成立 し た 日本語を指しますが、ここではそれ以前に 弥生時代 が 始まっ た とさ れる 約 二 千 数 百年 ぐらい 前 から、 主 に 五島列島 や 壱岐

出典:倭人

(いき)、 対馬(つしま)、 博多 などの 九州 西北 地方に住んでいた倭人(わじん)が使っていた言葉を指しています。

なので、ここでは 常に 弥生 語 という 視点 を 基本 として 古代 史 を 考え、 神 々 を 解明 しよ う と 試み て い ます。

それ が、 わたしにとって、 もっとも 説得 力 が あり 魅力 の ある 解明法なんですね。

そういう わけ で、 謎 の「 倭 の 五 王」と言われている大王(だいおう) について も、 それぞれ の 大君 に つけ られ た 贈り 名(死後に奉る名前)の弥生語からの解読を進めていきます。

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「委細心得」本文の始め

早速 本文 に 入り ます。

「鹿島・香取・春日 の 謎 を 解く」 では、  まず、 順番 も 原文 通り に そのまま を転載 し、 原文 に そっ て 解説 を 加え て いこうと思います。

「委細 心得」 の 出だし は、 次 の よう に はじまっ て いるんですね。

「カロミタカミムツ 大 霊 は、 わが子、 垂 力 の 左右 の 珠、 なれ が 子孫 に 祀ら しむ、 と 御 祖 コヤネ の 霊 事 に、 詔 り 賜い き。

中津 は、 御 雷)(ピカ)を祀り、大霊(おおひ)の力を表す。

剣 使わ ざれ ば、 常に 鞘(さや)にあり。

ゆえに 布土(フツ)を祀り、 大 霊 の 力 を 凝らす べし。

即ち、 中津 は 常に 表 に 立ち、 大 霊 の 御心 に 順 う 術(すべ)を修め、 弓 前 は 内 に あり て、 我 の 教 うる 大 霊 の 力 の 数々 を 議 (はか) り、その法を修むべし。

この 分限 を 誤 た ば、 神罰 を 心得るべし。

世々 の 弓 前(ゆま)、賢み伝えたり」

『弓 前 文書』 の 歴史 書 で ある「 委細 心得」 は、 まず、 宇宙 神 で ある タカミムツ 大 霊 が、 中津・弓 前 一族( 後 の 中臣 氏) の 祖 で ある アメノコヤネ に、「 お前 の 孫 の 中津・弓 前 の 兄弟 に、 わが子 タヂカラ の 左右 の 珠 で ある 宇宙 の 天 と 地 の 力、 すなわち ピカ と プツ の 珠 を、 それぞれ、 祀ら せ て やろ う」 という 神託 から 始まっ て い るのです。

「霊事(ひこと)」とは「ご神託」のことです。

アメノコヤネ に 宇宙 神 で ある タカミムツ 大 霊 が「 御 神託」 を 下し た という こと ですね。

ピカ は、 後 の 鹿島 の「 タケピカツチ」 の 神、 プツ は、 後 の「 プツヌチ」 の 香取 の 神 です。

ここ から 倭人 天 族 一行 が 東 へと やってき て 鹿島・香取 として 成立 する 以前 に、 ピカ と プツ の 神 は、 長い 間、「 倭人」 天 族 の 本拠地 で あっ た 九州 の 地 で 大昔 から 祀ら れ て い た、 という こと もわかる わけ です。

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